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February 28, 2017

70年前のお雛様

しばらくの間、箱に詰められ、ある場所の天井裏にしまわれたままとなっていた「私のお雛様」が、最近になって、我が家に戻って来た。
箱の周りもほこりがかぶり、中を開けると、薄紙も黄ばみ、内裏雛の両側に飾る橘、桜もちょっと情けなく枝が折れたりしている。
ぼんぼりも両側に飾るはずが、いつのまにか一つしかなくなっている。

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終戦の翌年に生まれた私。多分、皆生きて行くだけでも大変な時代に、初節句のお雛様を探して、父親が都内を探し回ってくれて、このお雛様を買ってきてくれたのだと、後に母親から聞かされた。

翌年に三人官女が増え、翁媼が増え、少しづつ段飾りのお雛さまが増えて行った。
お道具類もいろいろと増え、箪笥やら長持ち、お茶のセットのようなものがまるで本物のように作られていて、一人っ子だった私はすべてを一人じめして遊べる事が楽しかった。

そうして、お雛様たちは毎年増えて行くはずだったけれど、私が3歳の頃に父親は病気で入院して一年後には亡くなってしまったので、段飾りはそこで止まってしまった。

なので余りに幼い時に父と死別した私、父親の思い出がほとんど自覚できない。
母親から聞く事でしかわからず、その中のわずかな手がかりのようなものが、このお雛様だったのかもしれない。
余りに早く、父との別れを迎えた分、良い思い出だけが、私の中に刻まれているのかも。

今は、お内裏様しかいなくなってしまったけれど、私のところに戻ってきてくれたのだから、これからは又、春のお節句には飾ってあげたいな。

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