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February 25, 2009

「おくりびと」を観てきました。

米アカデミー賞で日本作品として初の外国語映画賞を受賞したというニュースにつられて、ミーハーで映画好きの私としては無視も出来ず、銀座に買い物のついでに、ふらっと立ち寄ってみた。

既に映画を観た友人から、「良かったよ」と感想は聞いていた。それでも、なんとなく、これまでの私の好みからいくと、進んで観ることはないかな~と思っていた。
そのうえ、このところ体調不良な日々が続いていたので、そんなときにこのテーマはきついだろうと避けていた。

でも、本木クンという俳優は好きだし、彼自身が原作本に惚れ込んだ結果、映画化が実現したという事を知り、まず期待外れということはないだろうと思い、ましてや日本初の受賞となれば、観るっきゃない!

受賞発表直後の映画館なので、さぞや混んでいると思いきや、一人分の座席はすぐ確保できた。やはり、お年寄りが多かったのは、身近な問題として関心が高いためだろうか。

映画全体のイメージはどうしても重く暗いものなので、色がグレーという印象を受けた。
ただ、それだけでは観客に本来伝えたいものが伝わったかどうか・・・
「死」という、誰もがいつかは向き合う問題。家族・恋人・友人・知人・・・その「死」と直面した時、人は深い悲しみと合わせて自分の「死」について厭でも考えさせられる。

その死後の世界へ旅立つ時の身支度のお手伝いをする「納棺師」。
死者の尊厳は「納棺師」の見事な仕事振りによって、より高められ、残された周囲の人間をも巻き込み、改めて「人がどう生きてきたか」など考えさせられる。

そんな「重いテーマ」なのに、ところどころにユーモア・愛情・希望なども散りばめられていてそれが適度でとても「映画」としてよくできている。

本木クンが奏でるチェロの美しい音色。美味しそうで貪欲な食欲(見ないと理解できないかも)、素敵なティカップ。あったかそうなストーブの上に載った銅製(?)の薬缶からお湯を注いでホットウイスキーを飲むシーン。
どれも、「死」という「静」が全体に流れている中で「動」を感じさせ、人間がいかに逞しい生き物かを改めて実感させてくれる。

そして、それと対比するかのような、今にも潰れそうなひなびた銭湯が現実感を浮き立たせてくれた。

いつのまにか「グレー」が「いぶし銀」に変化していた。

アカデミー賞を受賞したということは、外国の人にもそれが伝わったのだろう。

そうそう!映画が終わったとき、会場のあちこちからスクリーンに向かって拍手が湧き起った。その拍手を聞いてまた感動してしまった私・・・ホントに良い映画を観た満足感と不思議な連帯感がそうさせたのかも・・・
良い映画でした。

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