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November 11, 2008

ついに白内障の手術(2)

手術日の10日ほど前から咳が出るようになり、大したことではないと思っていたのに、日増しに咳がひどくなってきた。
手術は強角膜を5ミリ前後メスで切開するので、眼を少しでも動かすと危険。咳はでたくなったらすぐに知らせてくださいと注意書きにある。普段は滅多に風邪をひかないのに、なにもこんな時期に咳がひどくなるなんて!

内科で1週間後の手術までには咳を止めて欲しいとお願いし、抗生物質を処方してもらった。咳は減ったものの、中々完全とはいかなかった。数日前の診察のあと、先生が「それではとっておきのオマジナイをあげよう!」とシロップを出してくれた。
「これは、手術当日に持っていって、咳が出そうになったら飲みなさい」
きっと強い薬なので、やたらに飲んではいけないということなのだろうが、オマジナイという言葉に子供だましみたいと思いながらもふっと安心感がわいてきた。

手術当日、待合室は手術を受ける人で溢れていた。
その日は一般外来は休診なので、全員がスッピンで緊張した表情の人ばかり。空気もなんとなく重く沈んだ感じで、全員手術着姿の若い看護師さんたちだけがキビキビと活気を振りまいていた。

この小さなクリニックで、赤星先生が執刀する手術はその日一日で30人で40件、(両目の人が10人で20人が片目)だとか。週に2回手術日があっていつもそのくらいの件数らしい。三井記念病院ではもっとたくさんの手術が行われているのだろう。

名前が順に呼ばれ、手術前の検査が始まり、ここで初めて赤星先生の診察を受けることになった。

「普段は、○○先生にかかっているんですね。」

「特に問題はなさそうなので、手術も大丈夫でしょう」

医療技術はもちろん誰もが認めているし、世界を飛び回っている先生だからもっと偉そうにしているのかと勝手に想像していたが、とても患者に対して包み込むような穏やかな笑顔と話方で、良い意味で期待を裏切られ、良かった~!

更に、検査をこなしていくうち、お互いに顔なじみとなって、患者同士で世間話が始まる。

「お宅は両目ですか?」

「どんな経緯でここにきたのですか?」
不安げな人たちが一つのものに向かって集まってきたという感じが、少々古いけれど、映画「未知との遭遇」の場面を思い出してしまった。

「お歳は?」

既に、片目を終わっている人には、
「視力はどんな感じですか?」

「痛くなかったですか?」

あらゆる疑問や不安をぶつけ合って、手術までの時間をそれぞれに過ごしていた。

最終段階になって、手術控え室まで行くと、全員、手術着に帽子を被せられ、目には痛み止めの目薬を何度もさされ、手術中に図るための心電図用のコードを胸に張り付けられ、腕には血圧計が取り付けられ、抗生物質の点滴も始まる。

いよいよ、動きが出来ない状態になって、それぞれが覚悟を決め始める。

「あの~トイレに行きたいんだけど・・・」

「すみません。喉がからからになってしまって、お水が欲しい」

「私もお水ください。ティッシュください」

点滴の針をさすときに怖がって身体をひいてしまった人もいて、看護師さんに「逃げないでください」と注意を受けている人もいたり、皆、最後の抵抗をみせていた。

いよいよ、赤星先生が手術室に入り、順番に呼ばれ点滴をつけたまま、手術室に入って行く。

一番目の患者が本当に数分で部屋から看護師に支えられて出てきた。
「よく見えるようになったでしょ?」
たった今手術が終わったばかりなのに、その男性は嬉しそうにうなずいている。

今手術がすんだばかりなのに、まさかそんな簡単なの?

そのうち、流れ作業のように一人出てくると、一人が入る。
皆、普通に出てきて、看護師さんに誘導されながら、部屋を出て行く。

いよいよ、私の番になって歯科の診察台のようなイスにかけ、シートが倒される。
片目だけ穴のあいた布を被せられ、瞬きをしないように眼の淵を何かで固定される。

消毒用やら麻酔なのか冷たい液体がシャワーのようにかけられて気持ち良い。
「では始めますよ」と赤星先生のやさしい言葉が安心感をもたらしてくれる。

手術中、目が開いているので、白やブルーやいろいろな光が見える。一瞬だけ、光がくるっと回ったような気がしたけれど、もしかしたらその時に眼内レンズが挿入されたのかな?なんて勝手に素人判断をしてみた。

痛みも全くなく、あっという間に終わった。
部屋を出てきて、看護師さんに目の周囲をさらに消毒してもらいながら、「何が見えた?」と聞かれた。
人によって見えるものが皆違うようで、万華鏡のようだったという人が多いらしい。私は明るくきれいなブルーの水の中に真ん中に白くて四角い氷砂糖のかけらのようなものがずっと見えていた。いずれにしても気持ちの良い状態が最後まで持続した。

もう片方を1週間後にするのだが、果たしてその時はどんなものが見えるのだろうか?楽しみな気もする♪

手術直後の視力検査では、0.6だったのが1.0に上がっていた♪

なんだ!白内障の手術って簡単じゃない!
そう思うが、肝心なのは術後のケアだそうで、手術が成功してもそのあと細菌に感染したりすると失明することもあるとか。

術後の注意事項として

1 洗顔・洗髪・化粧は6日間禁止

2 保護用眼鏡(ゴーグル)を睡眠時もシャワーのときも常時6日間装着する

3 酒・たばこは1週間禁止

4 重いものを持ったり、全身に力の入ることは眼の傷口が開くので1か月禁止

5 温泉やプールは2~3か月控える

6 手術した目をこすったりぶつけたりしないように注意

7 手術当日は帰る際は付添の人が必要

8 手術直後しばらくは下を向いたり頭をさげたりしてはいけない。

1日も早く、傷が回復して眼に細菌が入らなくなるまでは慎重であるに越したことはない。

再び、最後の点滴をして終了。お迎えを頼んだ友人に付き添ってもらって我が家に到着。
TVの画面がいつもよりきれいに見えるような気がした。
お化粧をしていない顔がこんなにシミだらけだったんだ~(ショック)
今まで白いと思っていた壁の隅がなんだか黒ずんで見える。

片目だけでもこれほどなのだから、もう片目が終わったらどれだけ見えるようになるのだろうか・・・怖いと思っていた手術がいまから待ち遠しい。

November 10, 2008

ついに白内障の手術(1)

10年ほど前、目にゴミが入って眼科を訪れた時に「白内障が始まっていますよ」と言われ、まだ50代になったばかりなのに「原因は目の老化現象です」と言われ、ものすごくショックを受けた事を覚えている。しかも手術以外に治療方法はないとも言われ、眼科の帰りに早速本屋に飛び込んで「白内障の本」を買ったことをついこの間のように覚えている。

そして今、仕事や日常生活に支障をきたすようになって、ついに決断することになった。
人に訊かれるのは普通の老眼とどう違って見えるの?ということだけれど、いわゆる「老眼鏡」の度数をいくら強くしてもものが見えにくい。
それでもPC上の細かい文字などは老眼鏡をかけないと全く見えない。食事の時など、氷の上に並べられた白身の薄作りの刺身のような色や形の判別のつきにくいものなどは、氷を箸でつかみそうになったりと、その時は笑い話ですませてはいたものの、日ごとに不自由さが増していることは確かな事実として、心に常に重くのしかかってきていた。

その後も定期的に検査は受けていたが、手術はいつでも早すぎる事はないと言われ、あとは本人の決断次第と言われていたから、なおさら時期を決めるのに逡巡していた。

そんな日々を送るうち、徐々に仕事にも支障をきたし始め、「見えない!」というストレスを含め、他の体調にも不具合を生じ始めていたので、ついに決断をすることになった。

掛かり付けの眼科で手術決断の意思を告げ、日帰り手術のできる病院へ紹介状を書いてもらった。それは、かの有名な「赤星先生」の三井記念病院だった。

●「決めたからには早めに手術をしたいのです」
○「三井は赤星先生に手術をしてもらえますが半年以上待つことになります。三井でなく近くのクリニックで赤星先生が手術をして下さるという方法もあって、そこだと1~2か月でできますが?」
●「早いほうがいいのでそちらでお願いします!」
○「では三井に紹介状を書きます。赤星先生に別のクリニックで手術をしてもらうように申し出てください」
●「ありがとうございます!」

早速、紹介状を持って三井を訪ねた。
総合病院の上、「白内障の権威」の赤星先生に診てもらいたい患者たちが多く訪れているからか、朝一番で受付を済ませたのにもかかわらず、ようやく順番が来て散瞳剤(瞳孔を広げる薬)をさされても次の順番が来なくて、「そのままお昼に行って来てください」と院内の食堂を教えられた。
ようやく順番になり、診察室に呼ばれたのは4時少し前。そこで西川女医のような美人医師に簡単な問診を受けた後、別のクリニックでの手術希望を伝えて、再び紹介状を書いてもらい、すぐ近くにあるクリニックに向かった。

そちらでは、また一から検査のやり直しをすることとなり、全てが終わったのは6時近かった。ぐったり疲れはしたが、手術の日程も決まり、いよいよ覚悟もできて、あとはその日を待つのみと思うと、朝からの疲れも心地よい疲労感へと変わっていた。

待合室はやはり高齢者が多く、私のようにかかりつけの眼科からの紹介状を持ってこちらのクリニックで赤星先生の手術を希望してやってきた患者さんが沢山訪れていた。
皆、ここで手術を受けた後は再びかかりつけの眼科に戻されるようなシステムになっている。
そのくらい、白内障の手術をする人が多いということなのだろう。
術前1週間から準備として目薬を続けないといけないため、処方箋薬局に薬をもらいに行くと、薬剤師のオジサンが懇切丁寧に赤星先生の腕の確かさや手術の詳細をコピーしたものをくれて細かく説明をしてくれた。

「赤星先生は日本一です!手術の腕は確かで他の医者は真似できません。年間5000件も手術をしているんですから、安心して手術を受けられますよ」
「眼内レンズも最高級のものを使用しますから100年は持ちますよ」

偶然、赤星先生に手術をしてもらうことになったのだが、薬局のオジサンに「お大事に~」と送り出されたころには、手術に対する不安とは裏腹に、安心して全てを委ねられる赤星先生という、実際には一度も面識のない先生に対して期待で胸が膨らんでいっぱいになっていた。

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